1st Note

ガイド

88鍵と61鍵の電子ピアノ、どちらを選ぶべきか

電子ピアノの鍵盤数は単純なスペックに見えますが、実は上達の仕方、弾ける曲、かかる費用すべてに関わる大切な選択です。「絶対に88鍵」が正解とは限りません。目的次第です。このガイドでは、本当に88鍵が必要な方、61鍵で十分な方、普段の練習にどんな違いが出るかをわかりやすく解説します。

鍵盤数ごとに弾ける範囲

ピアノの音域は、最低音から最高音までの幅で表します。それぞれの鍵盤数で弾ける範囲を整理しましょう。

88鍵(ピアノ本来の音域): 最低音A0から最高音C8まで、ピアノの全音域をカバー。この150年間のアコースティックピアノはすべて88鍵です。クラシック、ジャズ、ポップスどの曲も移調せずに弾けます。

76鍵: E1からG7まで。両端の6つの音だけが欠けています。一般的なピアノ曲の約98%、上級中級レベルまでのクラシックの大半をカバーできます。

61鍵: C2からC7まで、5オクターブ。ポップス、ロック、ジャズ、賛美歌、電子音楽、初級クラシックの主要音域をカバー。深い低音のうなりや、一番高い音は出せません。

49鍵以下: 趣味用、持ち運び用の領域。電子音楽の制作、旅行先での練習、とても小さなお子さん向け。メインの練習楽器としては不十分です。

現実的な話: クラシックを本気で学ぶ方は中級レベルで88鍵全部を使う曲に出会います。ポップスや作曲中心の方は、一生61鍵で事足りるかもしれません。どちらが間違いということではなく、何を弾きたいかで決まります。

本当に88鍵が必要な方

「とりあえず88鍵」と決める前に、ご自分の目的を正直に見直しましょう。

88鍵を選ぶべき方: - クラシックピアノを本格的に学んでいる(レッスン、試験、音楽大学志望) - ヤマハピアノグレード、全日本ピアノ指導者協会の試験などを受ける - 大人になって再開した方で、すでに中級曲を弾いている - ショパンのバラード、ラフマニノフの前奏曲、ベートーヴェン後期ソナタなどを弾きたい - 1台ですべての曲を弾けるようにしたい - お子さんのために、将来本格的にピアノを続けるかもしれない前提で買う - 鍵盤の両端まで使う体の感覚、腕の使い方、手の位置を正しく身につけたい

体の感覚についての話: 61鍵で練習してから88鍵に買い替えると、両端の感覚を一から覚え直す必要があります。88鍵の「真ん中」と61鍵の「真ん中」は体の位置が違うからです。本格的に学ぶ方にとっては、この切り替えが混乱のもとになります。

実用的な判断法: 今後2年で弾きたい曲の楽譜を3曲見てみてください。1曲でも61鍵の範囲を超える音があれば、答えは決まっています。3曲ともおさまるなら、選択の余地があります。

初心者におすすめのモデル

当サイト独自のスコアリングシステムに基づき、初心者向けスコアの高い電子ピアノを88鍵・61鍵問わず紹介します。初心者スコアはレッスン機能、アプリ連携、セットアップのしやすさ、鍵盤の寛容さを総合評価しています。

Casio

AP-550

¥132,000

セルヴィアーノの進化形 — Bluetooth対応で使いやすさが格段にアップ

10.0 初心者向け 8.5 夜間練習向け 1.5 持ち運びやすさ 7.6 タッチの本格度 7.1 コスパ
88 44 kg
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Casio

AP-710

¥220,000

4スピーカー60Wの迫力サウンドと上品なキャビネット

10.0 初心者向け 8.5 夜間練習向け 1.5 持ち運びやすさ 7.6 タッチの本格度 6.7 コスパ
88 43 kg
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Casio

CT-S300

¥22,000

400音色、3.3kg — 何でもできるお手頃キーボード

10.0 初心者向け 6.0 夜間練習向け 10.0 持ち運びやすさ 0.8 タッチの本格度 8.2 コスパ
61 3.3 kg
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Casio

CT-S400

¥30,800

600音色+Bluetooth — CT-S300の上位版

10.0 初心者向け 6.0 夜間練習向け 10.0 持ち運びやすさ 0.8 タッチの本格度 7.2 コスパ
61 4 kg
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Casio

GP-310

¥275,000

ベヒシュタインが認めた鍵盤 — 木製ハンマーアクションの本格派

10.0 初心者向け 8.5 夜間練習向け 1.5 持ち運びやすさ 9.8 タッチの本格度 6.6 コスパ
88 78.5 kg
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Casio

GP-510

¥440,000

カシオの最高峰 — ベヒシュタインの技術が生んだ究極のグランドハイブリッド

10.0 初心者向け 8.5 夜間練習向け 1.5 持ち運びやすさ 9.8 タッチの本格度 6.3 コスパ
88 83 kg
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61鍵が正解になる場面

人によって、状況によっては、61鍵は妥協ではなく正しい選択になります。

61鍵が向いている方: - 主にポップス、ロック、賛美歌、作曲で弾く - 電子音楽を作っていて、MIDIコントローラーとして使いたい - とても狭い住環境で88鍵が置けない - 出張や旅行が多く、持ち運びやすさが大事 - ライブ演奏で小さな車に積み込む必要がある - 予算7万円以下で、作りの良い61鍵と作りの悪い88鍵の選択になる——この場合61鍵のほうが弾き心地が良い - 5〜7歳の小さなお子さんで、まだ手がそこまで広がらない

見落とされがちな利点: 同じ価格なら、61鍵モデルは88鍵モデルより作り、音の質、機能が優れています。限られた予算を鍵盤数ではなく品質に回せるからです。

技術習得についての補足: ヤマハ、コルグ、カシオ、ローランドの最近の61鍵は、強弱を感知するタッチセンサー付き。鍵盤を適切な強さで押す基本技術はそのまま88鍵に活かせます。後で買い替えるときに必要なのは、弾く位置の感覚の調整であって、技術の学び直しではありません。

実は便利な中間: 76鍵。ほぼすべての曲を、より小さく、より安く弾けます。意外と見落とされがちですが、中級者にも実用的な選択肢です。

実際の選び方

迷いを断ち切る判断フレームをまとめます。

以下のどれかに当てはまれば88鍵: - ピアノ教室に通う、または試験を受ける - クラシックやジャズを本気でやる - 家族全員が長く使う楽器にしたい - 予算で10万円以上の88鍵モデルが買える - 88鍵を置く場所がある

以下のどれかに当てはまれば61鍵: - 大人の初心者で、続くかどうかまだ分からない - 作曲、音楽制作、ポップスキーボードが主な用途 - 住まいが狭い、引っ越しが多い - 予算7万円以下で作りの良さを重視したい - 7歳以下の小さな子ども - ライブや旅行で持ち運ぶ必要がある

76鍵を検討すべき方: - 88鍵の音域をほぼ全部欲しいけれど、もう少しコンパクトにしたい - 中級者だが、極端な低音や高音は使わない - 予算10〜15万円で、鍵盤数より機能の充実を優先したい

避けるべき選び方: - 「本物のピアニストは88鍵だから」という理由だけで88鍵を選ばない——自分の演奏内容に合わせましょう - 本気でクラシックを学ぶなら、節約目的で61鍵を選ばない——1年以内に買い替えることになります - 「大は小を兼ねる」は必ずしも正しくない——作りの悪い88鍵より作りの良い61鍵のほうが日々の練習が充実します

正しい鍵盤数とは、弾きたい音楽、置ける場所、本気度に合った鍵盤数です。予算に余裕がある本気の初心者には、長期的には88鍵が正解。それ以外の方には、61鍵も正直で実用的な出発点です。

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